止まらない電気代の値上げ…!その原因と電気代節約のコツ
目次)
1.電気代高騰!どのくらい高くなった?
2.電気代がここまで高騰した理由は?
3.電気代を抑える!知っておきたい対策3選
以前、食料品の値上げの話をしたけど、電気代もどんどん値上がりしてるよね…。
・食品の値上げラッシュ!原因は?いつまで続く?家計を抑える対策を教えて!
寒い日が続くと電気の使用量も増えるから、また対策があれば知りたいね。
もちろんあるニャ!前回、「電気・ガスの自由化」の活用で光熱費を安くする話をしたけど、今回は電気代に絞って、他にもできる対策を紹介するニャン。
・無理に節約しなくてOK!「電気・ガスの自由化」活用で電気代・ガス代はここまで安くなる!
1.電気代高騰!どのくらい高くなった?
この1年で電気代が26%もアップ!?
電気代が高くなっているのは実感しているけど、具体的にどのくらい値上がりしたんだろう?
東京電力の平均モデル(従量電灯Bプラン・30A契約 使用電力量260kwh/月)の、直近1年間の電気代の推移はグラフのとおり、うなぎのぼり状態!
2021年の10月に7,238円だったのが2022年の10月には9,126円と、電気の使用量は変わらないのに、1年間でなんと約26%も上昇していたのです。
毎月数百円程度の値上がりだと、「ちょっと使いすぎたかな?」くらいであまり気にしていなかったかもしれないけど、1年前の記録が残っていたら、ぜひ見比べて1年間にどのくらい電気代が上昇したかを計算してみてほしいニャ。
2.電気代がここまで高騰した理由は?
1年でこんなに値上がりしているなんて…!一体どうして?
理由を説明する前に、まずはみんなが毎月支払っている電気代がどうやって決まるのかを教えるニャ。
電気代のしくみ
電気代は、
2.電力量料金(電力量料金 ± 燃料費調整額)
3.再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
をそれぞれ計算した上での合計額となります。
1.基本料金
電力をまったく使わなかったとしても必ず支払う必要がある料金です。
※ 基本料金が無料の電力会社もあります。
2.電力量料金
使用した電力量に応じて発生する料金である電力量料金と、燃料調整額を合わせた料金を表します。
使用量に応じた電力量料金は、「1kWhあたり」の単価が設定されており、<1kWhあたりの単価>×<使用電力量(kWh)> で計算します。
3.燃料費調整額
原油、液化天然ガス、石炭などの燃料価格の変動に合わせて変動して、使用者が負担する金額です。燃料費調整単価 × 使用電力量で計算されます。燃料価格が高ければ燃料費調整額は引き上げられ、低ければマイナスになる仕組みになっています。
つまり、燃料費調整額によって、電気料金が増額されることもあれば、減額されることもあります。
4.再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」によって電力会社が買取りする費用の一部を、電気利用者が使用量に応じて負担するものです。再エネ賦課金単価×電気使用量で計算されます。再エネ賦課金の単価は、年度ごとに国が全国一律で決定しています。
電気代の検針票や明細に書かれてるけど、そういうしくみで決まってたのか〜。
ここ数年の高騰の理由と今後の見通し
電気代のしくみがわかったところで、電気代高騰の理由を説明するニャ!
・エネルギー資源の高騰
脱炭素化の流れを受けてLNG(天然ガス)の需要が増えたことに加え、昨今の国際情勢(ロシアによるウクライナ侵攻)などにより、LNGを始め、石炭や石油の輸出量が減っていることから、世界的にエネルギー資源が高騰しています。
日本においては、円安による仕入れコストの上昇も影響していると考えられてるニャ。円安とは1ドル140円から150円というように相対的に円の価値が下がること。例えば100ドルのものを買うために14,000円だったのが15,000円と日本円での金額が上がるため、エネルギー資源の仕入れコストも上昇するというわけニャン。
・なぜ円安が起こっている?円安・円高の基本から家庭への影響、その対策まで解説!
・再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の継続的な値上げ
電気代に含まれる「再エネ賦課金」は2012年から始まりました。国は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を制定し、電力会社に再生可能エネルギーで発電した電気を一定価格で同じ価格で買い取ることを義務付けました。
そして、この電力買取のために必要なお金を、電気を利用している国民から再エネ賦課金の名目で収集することにしたのです。
再エネ賦課金のスタート当初は0.22円/kWhだったのが、毎年上昇し、2022年には3.45 円/kWh、なんと10年間で15倍にまで上昇しました※。
※新電力ネットHP 再生可能エネルギー発電促進賦課金の推移より引用
再エネ賦課金の値上げの理由は、前述の再生可能エネルギーで電気を作る発電所が増えるのに比例し、固定価格買取制度の対象事業者が増えているためです。よって、国民が払う再エネ賦課金も値上がりする(増える)というわけです。
CO2排出量の削減と、エネルギー資源の自給率増加を目指す流れのなかで、今後も値上げは続く見込みと考えられるニャン。
・電気の供給力の低下
火力発電所の老朽化による休廃止や、2011年の東日本大震災以降の原子力発電所の停止により、電力の供給量が減少していることも、電気代高騰の一因とされています。
なるほど〜。この状況って、いつまで続くんだろう…?
今のところ、状況がすぐに改善する見込みはないニャ。
また、政府の発表(2022年10月現在)によると、2023年の春には、さらに2割から3割ほど電気料金の値上げが予想されているニャン。
予想される理由は、電気代が急上昇し、国が決めている燃料費調整額の上限額に、大手電力会社10社すべてが達してしまったことにあります。つまり、それ以上の値上げができず、どこの電力会社も赤字の状況になっているのです。
そこで、多くの電力会社では、来年春の値上げを目指し「規制料金」の値上げ申請を進めており、さらなる値上げが予想されているのです。
そ、そんな〜!
この値上げに対応した国の支援策も予定されているけど、その支援もずっと続く訳ではないだろうニャ。
だからこそ、この電気代高騰が続く状況を踏まえて、家計を守る対策をしていく必要があるニャン!
3.電気代を抑える!知っておきたい対策3選
まずは現在契約している電気プラン・電力会社および、電気の利用状況を確認しましょう。
今現在の利用状況を把握するだけでも、意識が高まり具体的な対策を実行しやすくなるニャ。その上で、これからご紹介する対策も取り入れて電気代高騰に備えていくニャン!
1 電気料金プラン・電力会社の見直し
電気料金プランや電力会社を見直すだけで、現在の電気料金を抑えることができる人もいます。電気料金の比較サイトもありますので活用しましょう。
例えば、エネチェンジというサイトでは、現在の電気の使用状況を入力すると、その家庭にあった電力会社・プランを紹介してくれますのでとても便利です。
2 省エネ家電の活用
買い替えには費用がかかりますが、省エネ家電の利用で消費電力を大きく削減できるので、長い目で見ると、買い替え費用を上回る節約効果が期待できるものもあります。
買い替えした際の電気代削減率をチェックした上で、削減効果の高い家電から買い替えを検討してみましょう。
例として、省エネの冷蔵庫とLED電球に買い替えた場合の削減効果を紹介するニャ。
<冷蔵庫>
2009年から2019年の10年間で、冷蔵庫の消費電力量は4割以上も減っています。
10年以上前に買った冷蔵庫を使っている人が、年間の消費電力量を250kWh削減できる冷蔵庫に買い替えた場合、1kWhあたり30円で試算すると、
250(kWh)×30(円)=7,500円の削減です。
<電球>
一般電球からLED電球へ変更することで、約86%も年間消費電力量が少なくなります。年93kWh削減できるため、節約効果は93(kWh)×30(円)=2,790円の削減となります。
電球1個あたり2,790円削減できるから、電球の数だけ削減できる金額は大きくなるニャ!
電球1個替えるだけでもこんなに変わるんだ…!今すぐ買い替えよう!
3 電気の使い方の見直し
家庭における家電の電力消費量は、夏季と冬季いずれもエアコン・冷蔵庫・照明で5割以上を占めています。
日々の節電対策をする場合、まずは、エアコン・冷蔵庫・照明の使い方を見直してみましょう。
「これだけで節約できるの?」と思うかもしれないけど、小さな習慣の見直しの積み重ねが大きな効果を生み出すんだニャ!
<エアコン>
冷房(設定温度28℃)を1日1時間短縮した場合:年約580円の節約
暖房(設定温度20℃)を1日1時間短縮した場合:年約1,260円の節約
<冷蔵庫>
ものを詰め込まず、半分にした場合:年約1,360円の節約
設定温度を「強」から「中」にした場合(周囲温度22℃):年約1,910円の節約
<照明>
点灯時間を1日1時間短縮した場合
12Wの蛍光ランプ :年約140円の節約
54Wの白熱電球 :年約610円の節約
9Wの電球形LEDランプ:年約100円の節約
※出典:資源エネルギー庁ウェブサイト 家庭でできる省エネ より引用
ちょっとしたことでもこんなに節約できるんだ!スグにできるし、家族で協力しながら取り組んでみよう。
最近では、家電を接続すると使用電力がリアルタイムで表示されるタップも販売されているニャ。自分が使っている電力を“見える化”すると、節電意識をより高められそうニャン♪
電気代は今後も上昇することが予想されます。状況に応じて柔軟にプランの変更や電気の使い方の見直しもしていきましょう。
電力会社の切り替えなどで困ったときは、消費者ホットライン(188)やお住まいの自治体の消費生活センター等、あるいは経済産業省電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口(03-3501-5725)でも相談できます。
また刻々と変わる情勢だから、最新の情報収集も大切だニャ。常にアンテナを張って、対策をしながら電気代高騰に備えていくニャン!
これからも値上がりが続くとなると、本当に対策しないと家計が苦しくなっちゃう…!よーし!マネ男、この冬はエアコンなしで乗り切ろう!
ええ!ちょっと極端じゃない…!?
(やれやれニャ…)
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ライフデザインオフィス【想×創】(そうそう)代表 ファイナンシャルプランナー(CFP🄬)・家計整理アドバイザー認定講師プレママ、子育て中ママへの家計相談やライフプランシミュレーション作成を中心に、執筆やセミナー、ワークショップ等を通じて家計や暮らしを豊かにする情報発信を行っている。正社員、派遣社員、契約社員、専業主婦、そして個人事業主と、ライフステージに合わせて働き方を変えてきた経験から、ライフプランそしてマネープランのアドバイスが好評。家計整理アドバイザー講座では、アドバイザーの養成も行っている。神奈川県在住 中学生と小学生二児の母