ペット保険はどんなときに役立つ?メリットから補償範囲、安く保険に入るコツまで解説!
目次)
1. ペット保険とは
1-1. ペット保険は高額な治療費に備えられる保険
1-2. どんなペットでもペット保険に加入できるの?
2. ペット保険は必要?どんな時に役立つ?
2-1.ペット保険で補償されるもの・されないもの
2-2.ペット保険に入っていた場合と入っていなかった場合の自己負担額をシミュレーション
3. 適切な条件でペット保険に加入するコツ
3-1.ペット保険を選ぶコツ
3-2.少しでも安く入るために割引制度をチェックしよう
この前、友人の家に遊びに行ったんだけど、犬を飼っていて可愛かった〜!
僕も小さい頃に実家で飼ってたよ。病気がちだったから、みんなでよく心配したなぁ。
そっか。ペットを飼うと、病気やケガの心配もつきものだよね。家族の一員だし、ずっと元気でいてほしいなぁ。
そんな心配に備えるものとして、『ペット保険』があるニャ。
ペットの保険かぁ。人間が入る医療保険と似た感じなのかな?
そうニャ。医療保険と同じように、病気やケガで治療した時にお金がもらえる保険ニャ。
どんなことに役立つんだろう。私のママが最近ペットを飼いたいと言ってたし、ペット保険について聞いておきたい!
じゃあ今回は、ペット保険の基礎情報やどんな人に必要か、また、お得な保険の入り方について説明するニャ!
1.ペット保険とは
ペットには高額な治療費がかかることがある
ペット保険とは、犬や猫といった大切なペットが病気やケガをした際に、病院でかかった治療費の一部を受け取れる保険です。
人間が病院で治療を受けるときには、公的医療保険(健康保険等)によって、医療費の1割~3割の負担で済みますが、犬や猫には公的医療保険はないため、治療費の全額を負担しないといけません。一体どのくらいお金がかかるのでしょうか。
代表的なペットである犬と猫で、1家庭でどのくらい動物病院にお金をかけているか、アンケート調査の結果から、平均月額費用を紹介していくニャ。
ペットの種類(大きさ)によって多少金額は変わりますが、平均にすると1ヶ月7,000円から1万円ほどかかっています。
それでは、病気をした場合の治療費はどのくらいかかるのでしょうか。
先ほどのアンケート調査より、1つの病気にかかったとき、完治するまでにかかる治療費最大額の平均を見てみましょう。
犬は約6万円~7万円台、猫は約5万円台となりました。
思ったよりかかる…!
これはあくまでアンケートした人たちの平均費用ニャ。
調査対象(3,096人)のうち14.3%の人が、1つの病気あたりの治療費最大額を10万円以上と回答していて、病気によっては非常に高額になることがわかるニャ。
動物病院の診療費や治療費は「自由診療」と言われ、各病院が自由に設定できるものです。そのため高額になりやすい上、どのくらいかかるのか想像がつきません。
かといって、家族同然に暮らしているペットが病気になってしまったときには、充分な治療を受けさせてあげたいもの。
高額な治療費へいかに備えておくかが、とても大切なのです。
実家の犬も、なんとか治してあげたいと何度も病院に連れて行ったよ。
ペット保険は高額な治療費に備えられる保険
そんな高額な治療費をカバーできるのがペット保険ニャ。
ペット保険では、公的な健康保険がなく、高額になりかねないペットの治療費実費の一部または全部を、上限金額まで受け取ることができるニャ。
商品やプランによって、治療費のうちどのくらい保険金として受け取れるかを示す「補償割合」が決まっており、一般的に補償割合が高いプランの方が、保険料は高くなります。
また、どの商品やプランでも「支払限度額」や「支払限度日数」など、補償を受けられる上限が決まっています。
例えば、入院や通院の補償であれば「日額6,000円まで」や「年間60日まで」、手術の補償であれば「1回90,000円まで」などと決められていることが多いです。
1日や1回あたりの上限金額がなく、保険期間中の支払限度額のみ設定されている商品もあります。
補償される金額のうち自己負担する金額を「免責金額(めんせききんがく)」と言って、商品やプランによっては「免責金額あり」を選べば、保険料を安くできるものもあるニャン。
例えば、補償割合が70%で「免責金額10,000円」と設定されているケースでは、実際にかかった診療費が10,000円以下の場合は全額が自己負担となるニャン。
なるほど! 免責金額で設定した金額までは、本来保険金を受け取るような事態が起きたとしても利用者が負担することになるけど、その代わり月々の保険料は安く済むってことだね。
なお、ペット保険は、損害保険会社と少額短期保険業者合わせて17社が取り扱っており、各社で補償対象のペットの種類や、補償割合、限度額、免責金額等などが異なるため、加入を検討する際には、複数の会社から見積もりをとって比較すると良いでしょう。
また、人間の医療保険には、健康でいた場合に祝い金などが返ってくるものもありますが、ペット保険はすべて掛け捨てで、解約返戻金なども一切ありません。
どんなペットでもペット保険に加入できるの?
犬や猫以外にも、鳥やウサギなどさまざまなペットがいますが、どんなペットでもペット保険に加入できるわけではないことに注意しましょう。
① 犬や猫以外のペット(鳥、フェレット、うさぎ、ハムスター、爬虫類など)が加入できるペット保険は少数
② 現在健康な体であることに加え、1年以内に病気やケガで治療を受けていないなどの条件があるのが一般的
③ 加入の際、ペットの健康状態を告知書に正確に記載する必要がある
④ 満8歳未満や満13歳未満など、加入可能な年齢制限がある(高年齢の犬や猫が入れるシニア専用ペット保険もある)
⑤ ほとんどのペット保険が終身にわたるまで更新可能だが、一定年齢までしかできない保険もある
2.ペット保険は必要?どんな時に役立つ?
ペット保険で補償されるもの・されないもの
あれ、補償されないものの方が多いんだ…!
ペット保険では、去勢・避妊手術費用やヘルニア治療、健康診断やワクチン接種等では保険金が支払われないニャ。
こうした「免責事由」が多くあって、少しずつ保険会社によって異なるから、どんなことが補償されるのかよく調べた上で検討してほしいニャン。
標準的なペット保険で補償されるのは、治療する際の入院、通院、手術ですが、商品によっては、死亡した場合の葬祭費に充てられる保険金をもらえるものや、人を噛んでケガをさせた場合の損害賠償責任特約をつけられるものもあります。
ペット保険に入っていた場合と入っていなかった場合の自己負担額をシミュレーション!
ペットのために入るべきではあるんだろうけど、補償されないものも多くて、いまいちペット保険のメリットがわからないな…。
実際にペット保険に入ることでどのくらいの自己負担額が変わるんだろう?
それなら、犬が骨折をして、入院7日間、治療費総額は23万円だった場合で、シミュレーションしてみるニャン!
ペット保険に加入していない場合
ペット保険に加入していない場合、動物病院でかかった治療費は、全額自分で負担することとなりますので、自己負担金額は23万円となります。
ペット保険に加入している場合
ペット保険に加入している場合、支払限度金額まで保険金を受け取れます。
この例のペット保険は、1日あたりの支払限度金額ではなく、1年間あたりの支払限度金額が設定されているものですので、治療費23万円は全額が補償の対象となります。
補償割合は70%ですので、23万円×70%の161,000円を保険金として受け取れ、自己負担金額は69,000円となります。
こんなに変わるんだ…!こう見ると、万が一のことを考えて、ペット保険には、ペットを飼うなら絶対に入ったほうがいいよね?
入っておくほうが安心だけど、
・治療費の全額が補償されないと保険に入る意味を感じない人
・高額な医療費も貯金でまかなえる人
の場合は、入らない選択も考えられるニャ。
3.適切な条件でペット保険に加入するコツ
ペット保険もいろいろあるけど、自分のペットに合う保険を選ぶコツを知りたい!
ペット保険を選ぶコツ
商品内容を理解しないで加入すると、トラブルになるケースもあるニャ。
加入を検討する際には、次の項目を必ずチェックしてほしいニャン!
・補償の対象(入院だけ、または入院と通院、または入院と通院と手術 など)
・補償割合
・支払限度金額や支払限度日数・回数
・免責金額
・免責になる事由
・更新できる上限年齢
・待機期間
① 我が家のペットが加入できるプランはどれ?
まずは、我が家のペットがペット保険に入れるかを確認しましょう。
前述のように、多くのペット保険は犬と猫しか対象としていません。
また、新規で加入できる年齢も上限があるのでご注意を。
② 家計の範囲内で保険料の予算を設定
人間の医療保険と同様、補償を手厚くすればするほど保険料は上がります。
家計の中で出せる範囲内で保険料を設定しないと、家計が苦しくなります。
また、年齢が上がるごとに保険料が上がるタイプのペット保険の場合は、この先どのくらい上がっていくのかも加入前にチェックして、続けられるかを考えましょう。
なかには、所定の年齢まで保険料が上がらないプランや、ある年齢以降は保険料が上がらないといったプランもあるニャ。
③ 保険金の支払限度金額をチェック
保険金の支払限度金額も、商品によって大きく異なります。
1日または1回ごとに限度額が設定されている保険もあれば、トータルの年間限度額のみ設定されているものも。自分にとって使い勝手が良いプランを選ぶと良いでしょう。
④ いつまで更新できるかチェック
ペット保険は原則1年更新ですが、終身更新できる商品もあれば、12歳までしか更新できないなど、上限年齢が設けられているものもあるため注意が必要です。
⑤ 待機期間がないかチェック
加入してから一定期間補償してもらえない「待機期間」があるプランもあります。
⑥ 更新に関するルールをチェック
支払限度回数が設定されているプランの場合、同一の病気を治療している間に更新時期を迎えたときに、回数がリセットされない可能性があります。
また、加入中に慢性疾患となってしまった場合に更新不可とするプランも。
加入前に、更新に関するルールも約款などでしっかり読み込むようにしましょう。
少しでも安く入るために割引制度をチェックしよう
最後に、ペット保険を安くお得にするコツを教えるニャ。
それは加入するときに、必ず割引制度がないかチェックするニャ!
例えば、
・インターネットから加入すれば10%割引となる「WEB割引」
・2頭以上同時に契約したら安くなる「多頭割引」
・ペットにマイクロチップが装着されていると割引になる「マイクロチップ割引」
などがあります。
健康で請求回数が少ないと割引になるタイプも。
しかし、中には、請求回数が多いと更新時に保険料が上がるものもあるので、そこは注意が必要です。
ペットは大切な家族の一員だからこそ、その命を守るために、適切なペット保険を選びたいね!
その通りニャ!満足いく治療をできるように備えておくことが大切ニャ。
大好きなマネキンにもず〜っと元気でいてもらいたいなぁ…。
マ、マネ娘〜!任せるニャ!あと100年は生きるニャーン!
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執筆者:鈴木 さや子
株式会社ライフヴェーラ代表取締役 みらい女性倶楽部 代表
ファイナンシャルプランナー(CFP)・1級FP技能士・DCプランナー1級・キャリアコンサルタント(国家資格)
生活に役立つお金やキャリアの情報を、セミナーや企業研修、執筆にて発信。金融商品などを一切販売しないFPとして活動。専門は教育費・ライフプラン・マネー&キャリア教育・確定拠出年金。大学生と高校生の母。運営するみらい女性倶楽部では「今もみらいもワクワクに」を合言葉に、お金・ヒト・スキル・キャリア・笑顔、5つの資産を育てるための情報を発信中。HP