老後破産の危険度をチェック!破産の原因や実態、今からできる対策を解説!

老後破産の危険度をチェック!破産の原因や実態、今からできる対策を解説!

リタイア後の生活において経済的に破綻し困窮してしまう“老後破産”、自分には関係ないと思っていませんか?
実はいま、老後破産に陥る高齢者が年々増えています。
実際、生活保護を受けている世帯の55.6%が高齢者世帯という調査結果もあり、皆さんが思っている以上に老後破産は身近に存在するものなのです。
もしかしたらあなたも、知らず知らずに老後破産へ近づいているかも!?

マネ娘父

そう聞くと老後破産って怖いなぁ…。自分は今の暮らしが安定していると思っているし、大丈夫だと思うんだけど。


マネ娘母

でもそう思っているうちに、もっと年齢を重ねていったときには生活が苦しくなっていることもあるんでしょうね。


マネキン

その通りニャン。
危機感を持って、老後のためにしっかり対策することが大事ニャ。
今回は、老後破産にならないため、理想のセカンドライフを実現するために知っておくべきことから具体的な対策まで紹介するニャン!

老後破産とはリタイア後の生活において経済的に破綻し困窮してしまう状況のこと。
・生活保護を受けている世帯の55.6%が高齢者世帯という調査結果も出ており、老後破産に陥る高齢者が年々増えている
・老後破産は、所得に関係なく誰にでも起こり得る問題であり、しっかりと自分の状況を把握して対策を行なっていくことが重要。

目次)

1.老後破産の実態は?
2.老後破産につながる原因は?
ケース①現役時代の金銭感覚を変えられない
ケース②定年退職後も住宅ローンの返済が続く
ケース③子供関連の費用がかかる
ケース④医療・介護へ想定外の費用がかかる
ケース⑤熟年離婚で経済的危機に陥る
3.老後破産しないために今から対策しよう
4.老後破産に不安がある場合は相談しよう

1.老後破産の実態は?

1.老後破産の実態は?

金融庁が令和元年に公表した「老後30年間で約2000万円が不足する」という試算を発端に世間で議論を巻き起こした“老後2000万円問題”。
「いかに老後の資産を形成していくか」が大切になっている一方で、いま、老後破産する高齢者が増えています。
マネキン

「自己破産」「生活保護」は、どちらも経済的に苦しい生活を支えるための制度だニャ。
自己破産すると、原則、借金の返済義務が免除になるニャン。

生活保護は経済的に自立するまで生活費の支給を受けられますが、「最後のセーフティーネット」と言われており、最低限の暮らしを保護するための最後の砦と言えます。
老後破産により、実際に自己破産あるいは生活保護を受けている人はどのくらいいるのでしょうか。

日本弁護士連合会が実施した最新調査「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると自己破産者に占める「70歳代以上」の割合は増え続けています。2002年に2.73%だったのが2020年には9.35%へと3.4倍ほどに急増しているのです。

図:世帯類型別被保護世帯数の年次推移(1ヶ月平均)

図:世帯類型別被保護世帯数の年次推移(1ヶ月平均)

参照元:厚生労働省「令和3年度被保護者調査 月次調査(確定値) 結果の概要

マネキン

上図は、1971年〜2021年までの50年間で生活保護を受けた世帯数の推移ニャ。
特に2000年以降、高齢者世帯※(ブルーの線)で生活保護の受給が急増していることがわかるニャン。


※ここで言う「高齢者世帯」とは、男女とも65歳以上(2005年3月以前は、男65歳以上、女60歳以上)の者のみで構成されている世帯か、これらに18歳未満の者が加わった世帯になります。

右端に2021年度の1ヶ月平均の保護世帯(紺色の線)の記載がありますが、総数164万1,512世帯に対して高齢者世帯は90万8,834と55%ほどを占めています
以上のデータから、今後高齢者となる若い世代も、経済状況が困窮しないために今のうちに何らかの対策を行って資産形成をしていかなければ、この比率はさらに上がっていくものだと考えられます。

生活保護を受ける高齢者世帯が急増している理由としては、少子高齢化により高齢者の世帯数が増えたことに加え、
・年金収入だけでは暮らせなくなった
・退職金の支給額が減り続けている
・上記により、退職金で住宅ローンの一括返済ができない/年金からのローン返済による生活苦

などといった変化が複数の総計データから推察できます。

2.老後破産につながる原因は?

実際に老後破産につながる原因をみていきましょう。

ケース①現役時代の金銭感覚を変えられない

ケース①現役時代の金銭感覚を変えられない

多くの場合、定年退職後は年金収入に頼ることになります。
年金生活に入ったのに、現役時代と同じ支出をしていれば、支出過多となってしまいます。
長年の生活スタイルのレベルを落とすのは、思いのほか難しいものです。

ケース②定年退職後も住宅ローンの返済が続く

ケース②定年退職後も住宅ローンの返済が続

「今の50代が住宅を購入した当時は、とりあえず買って売りに出せばもっと高値で売れる」、
このような考えで35年の住宅ローンを組んでしまったケースは多いのではないでしょうか。
例えば40歳でローンを組んだ場合、75歳まで返済が続くわけです。
教育費の負担や退職金の支給額が思ったより少なかった、繰上げ返済が予定通りに進まず年金生活でローン返済が負担になっているケースも散見されます。

ケース③子供関連の費用がかかる

ケース③子供関連の費用がかかる

子どもの教育費がかさみ、定年退職前に思ったほど貯蓄ができなかったケースです。
特に大学の費用は大きく、大学院など予定外の進学プランが重なってしまうと負担は増します。
また、いつまでも自立しない子どもがいる場合、生活費を親が負担しているケースもあります。
一方で孫への祝金など含め経済的サポートを行なっていて、貯蓄を切り崩しているケースもあります

ケース④医療・介護へ想定外の費用がかかる

ケース④医療・介護へ想定外の費用がかかる

ケガや病気で病院に掛かる場合、医療費は1割〜3割の自己負担で済みます。
高額な医療費がかかった時は、一定の金額(上限額)までの自己負担で済みます。
ただし、公的保険が効かない医療費もあり、大病を患うと想定外にお金がかかってしまうケースもあります。また、介護にかかるお金の平均は1人当たり約581万円とあることから、介護状態になるとそれなりに大きな支出となるケースもあるのです。

ケース⑤熟年離婚で経済的危機に陥る

ケース⑤熟年離婚で経済的危機に陥る

離婚した場合は「年金分割制度」があるので、何とかなると考えるかもしれません。
ただし、分けられるのは婚姻期間中の厚生年金または共済年金のみです。
自営業の場合は、そもそも厚生年金に加入しないため分割できる年金はありません。
離婚後の生活は2人から1人になったからといって半分まで減ることはありませんから経済的に苦しくなるケースも多いのです。
マネキン

以上が老後破産に至る主な原因だニャ。


マネ娘母

こう見ると、所得に関係なく誰にでも起こり得る問題なのがよくわかるわね。


マネ娘父

そうだな。どんな対策があるんだろう?

3.老後破産しないために今から対策しよう

 

<チェックリスト>
 毎月の家計支出を把握していない
 世帯の資産総額を把握していない
 夫婦でお金や老後の暮らしについて意思疎通ができていない
 定年退職後に住宅ローンの返済が続く
 退職金制度の内容や受け取る見込み額を確認したことがない
 ねんきん定期便を見ていない(年金の受給見込額を知らない)
 子どもの教育費の上限を決めていない
 退職金はご褒美だと思っている
 資産運用をしていない
 家計の固定費(生命保険料、スマホ代)を見直したことがない
 親からの相続で老後のお金は何とかなると思っている
 健康増進に関心がない
マネキン

一つでも当てはまった場合は要注意!次の対策を始めるニャン!

老後破産を事前に防ぐ対策4つ

老後破産を防ぐには、何よりも早いうちから行動することが重要です!
主な対策について見ていきましょう。
対策①家計の現状把握をする

対策①家計の現状把握をする

老後破産を避けて、理想のセカンドライフを実現するために最優先すべきは現状把握です。
家計の年間収支や保有資産の残高、生命保険の加入状況、住宅ローンなど負債の内容を把握して家計のキャッシュフロー表(以後、CF表)を作りましょう。
CF表は人生の資金計画表のようなものですから、将来について夫婦で話し合ってこそ作り上げることができるのです。ここでしっかりとお互いの思いや希望を共有できると熟年離婚のリスクを下げることにもつながるでしょう。CF表については日本FP協会のHPで作り方の詳細を確認できます。

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対策②家計改善を進める

対策②家計改善を進める

CF表※を作成し、必要であれば改善を行っていきます。
実際のところ、年金と退職金以外に十分な金融資産があり、老後のお金の心配はまったくない、という家計はレアケースです。家計の改善ポイントは人それぞれ異なりますが、基本は、
①収入を増やす
②支出を減らす
③お金に働いてもらう

の3つです。
今のお金の使い方で収支バランスが取れていなければ、収入を増やすか支出を減らす必要があることが分かります。
収入を大きく増やすことが難しければ支出を見直し減らす、あるいはなるべく長く働いて収入を増やすなど今からやるべきことが明確になります。
※収支状況や資産残高、将来の予定・希望するライフイベントなどのお金の動きを時系列で予測した表のこと

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対策③お金の知識を身につける

対策③お金の知識を身につける

完全リタイアをして年金生活に入る前にお金周りのことを整えておくことが重要です。
具体的には、年金・退職金の見込額を確認すること。その際、退職金は受け取り方によって税金のかかり方が異なること、年金を繰り下げて受け取ると増額すること、などお金の知識があってこそ自分にとってベターな判断をすることができるのです。

また、日本は申請主義ですから、知らないともらえない給付金などもあります
税金や社会保険の基本的な知識は学んでおきたいところです。
自分で学ぶことが難しい場合には、いざというときに頼りにできる適切な相談先を調べておきましょう。

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対策④健康増進に努める

対策④健康増進に努める

心身ともに健康であることは無形資産です。
健康であれば、働き続けることもできますし、医療や介護にかかる費用をできるだけ減らすことにもつながるからです。健康の維持と増進は一朝一夕でできることではありませんから、今から始めて長期的に続けていきましょう。
健康はお金のためだけではありません。健康だからこそ理想のセカンドライフを楽しめるのです。

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対策⑤資産運用を取り入れる

対策⑤資産運用を取り入れる

最近、モノやサービスの価格が上がり続けており、インフレ傾向にあります。
このままの状況が続くとお金の価値は目減りしてしまうため、お金を増やす仕組みとして資産運用を取り入れる必要があります。
具体的にはNISAやiDeCoといった国が用意した税制優遇制度を積極的に活用し、投資信託などで長期の積立投資を行うことです。2024年からスタートする新NISA制度では年間投資枠が拡大されるので、投資を始めるには絶好のタイミングと言えます。

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4.老後破産に不安がある場合は相談しよう

4.老後破産に不安がある場合は相談しよう

ここまで老後破産にならないための対策についてお話ししてきました。
どこから手をつければ良いのか、また、具体的な相談先についても知っておきましょう。

マネキン

主な相談先は以下の通りニャ!


・銀行
銀行では定期預金や外貨預金・投資信託・保険などから適した商品を勧めてくれます。
相談は無料ですが、銀行の提案商品と自分のニーズが合っているかをしっかり確認することが重要です。

・証券会社
証券会社は、店舗を持つ対面証券とネット証券に分かれます。
担当者と相談できるのが対面証券になり、国内外の株式や債券、投資信託などから適した商品を勧めてくれます。銀行同様、自分のニーズに合っているのかを確認することが重要です。

・FP(ファイナンシャル・プランナー)
FPは「家計のホームドクター®️」として家計の見直しや老後の生活設計を相談できます。
相談料はFPによって金額が異なります。
無料の場合、金融商品のセールスを前提としているケースもあるので、その点を理解した上で上手に利用しましょう。

・IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
IFAは証券会社など特定の金融機関に属さず、独立した立場で投資アドバイスや金融商品の紹介など資産運用サポートを依頼できます。
一般的に相談料はかからず、契約を交わすとIFAが業務委託契約をしている証券会社などから報酬を得る仕組みになっています。

老後破産は、誰にでも起こり得ることとして捉え、今からしっかりと自分の状況を把握して対策を行なっていくこと、また、自分だけで対策を行うのに不安があれば専門家のサポートを取り入れていきましょう。

専門家への有料相談に抵抗を感じるかもしれませんが、NISAなど税金の制度はたびたび変わっています。
最新の情報を学び続ける自信がない、自分で判断できず迷う、のであれば有料相談は有用な選択肢です。

マネキン

実際に、「自分では気づけない助言をもらえた」「実行支援をしてもらえた」ということで結果的に相談料以上のマネタイズになったケースも多くあるニャ!


マネ娘父

今回の話を聞いて反省点があったな。
言われてみれば、毎月の家計支出の把握は曖昧だったりするし、今は60代前半だけどその先の暮らしについてママと深く話し合ってはいないね。


マネ娘母

人生100年時代っていうし、これからの人生を楽しむためにもちゃんと話し合って、お金関連も確認していきましょう!そうそう、いつかパパと世界一周旅行に行ってみたいの!


マネ娘父

それはまたお金が必要だなぁ…!


マネキン

(ふふふ、破天荒なママだニャ)

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執筆者:三原 由紀
プレ定年専門FP®️
公的保険アドバイザー、相続診断士
執筆者:三原 由紀

子供の小学校入学を機に保険代理店でパート開始し、FP資格を取得。現在は、定年後の生活設計を専門とするプレ定年FPとして50代会社員に特化した個別相談、執筆を中心に活動。書籍『書けば貯まる! 今から始める自分にピッタリな老後のお金の作り方』。
ウェブサイト:https://ara50fp.com/