快適に出産したい!こだわりのバースプランや産後ケアホテル、いくら用意すれば実現できる?
目次)
1. お産ができる施設の種類と平均費用
1-1. お産ができる施設の種類
1-2. 産院の料金の相場
2. お産で受けられる補助
3. こだわりのオプションと追加費用はいくらかかる?
4. 最近注目の産後ケアホテルはいくらかかる?
5. 産院を選ぶ際にサービス以外にもおえておきたい3つのポイント
友人が妊娠したんだけど、出産をどこでするか、産院選びに悩んでるみたいで。確かに出産前の検診から出産、産褥期(さんじょくき)をケアしてくれる産院をどこにするかって大事だよね。
そうね。
私もあなたを産むときは先輩ママに相談したっけ。「ケアの充実さ」はもちろんだけど、「個室や美味しい食事」、「心身ともにストレスのかからない環境」とか、産院に求めることって人によってそれぞれ違うし、希望に合った産院があっても費用のことを気にしないといけないし…。
結構迷った覚えがあるなぁ。
最近は産院や産後ケアサービスが増えてきたから、選択肢が増えて悩ましいニャン。
わ、びっくりした。マネキン、そんなことまで知ってるの!ぜひ詳しく教えてほしいな。
ふふふ、頼もしいわねぇ。
今回は、2男4女の6児のママFP・橋本絵美さんの監修の元で、
・産院ごとのサービスや料金の違い
・自分にあった産院の選び方
・知らないと差がつく妊娠出産にまつわるお金
について説明していくニャン!
※出産する施設を指して産院と表現を統一させていただきます。
1. お産ができる施設の種類と平均費用
お産ができる施設の種類
そもそも産院ってどんなところがあるんだろう?
出産ができる産院は3種類あります。
・病院
・診療所(産婦人科医院)
・助産院
です。簡単に特徴をまとめると、
特に診療所(産婦人科医院)の場合、ホテルのような部屋やサービスの提供を行うところもあります。
ただし、他の診療も行っているような病院は、他の入院の場合と同様の食事の提供や大部屋であることが多いです。
助産所は、サービスは充実していますが、ラグジュアリーというよりもアットホームで体に良い食事をいただくことができます。
それぞれ特徴があるんだね。友達はお腹の子どものためにも食事を気にしていたから、診療所か助産所がいいのかなぁ。費用やサービスの情報をもっと知りたい!
産院の料金 相場はどれくらい?
料金の相場はそれぞれいくらくらいなのでしょうか。
出産にかかる費用は自由診療のため、産院によってさまざまです。
出産費用の全国平均値は、
・診療所の場合501,408円
・病院の場合511,652円
・助産院の場合平均464,943円
という結果になっています。(平成28年度実施国民健康保険中央会調査)
実際にかかった金額を見るとびっくり!
こんなに費用がかかるんだ…。料金の相場はわかったけど、その他にも新生児の生活準備とかでいろいろとお金がかかる時期だよね。
何か費用を抑えられる方法やサービスはないのかな?
最近だと出産一時金の引き上げが話題にあがっているわね。
出産一時金の他にも、自治体や健康保険などから受けられる補助がいくつかあるから紹介するニャン。
2. お産で受けられる補助
・妊婦検診の助成券がもらえる!
各自治体では母子手帳と一緒に妊婦検診の助成券を交付してくれます。
これで妊婦検診費用の助成を受けることができるようになります。
ただし、妊婦検診の全てが無料で済むわけではありません。
妊婦検診では、週数によってさまざまな検査をします。検査にかかる費用は、妊婦検診に含まれるものも一部ありますが、含まれないものは自己負担になります。
最近では3Dや4Dのエコーもありますが、エコーの助成回数も決まっており、助成回数を超える場合は自己負担となります。検査内容や料金設定は自由診療ですので病院によって異なります。また、妊娠確定前の診察にかかる費用は全額自己負担です。
・出産育児一時金がもらえる!
自然分娩、無痛分娩、帝王切開などの分娩方法にかかわらず、健康保険から出産一時金として、子ども1人当たり42万円が支給されます。
「直接支払制度」を利用すると、会計時に42万円を差し引いた金額のみの支払とすることができてスムーズニャ!
直接支払制度とは、本人に代わって出産した施設が健康保険組合に出産費を請求する制度です。
出産する施設で直接支払い制度を活用するための書類を提出すれば、会計時には42万円を差し引いた金額のみの支払で済みます。
※直接支払制度を導入していない施設もあります。
例えば、
診療所で出産費用501,408円だった場合、会計時に支払う額は81,408円
病院で出産費用511,652円だった場合、会計時に支払う額は131,652円
助産院で出産費用464,943円だった場合、会計時に支払う額は44,943円
となります。
施設によっては出産費用が42万円を下回ることもあるけど、その場合は差額分を健康保険組合に請求するニャ。
・医療費控除は妊娠出産費用も対象!
医療費控除は妊娠出産費用も対象です。
妊娠出産費用も含め、1年間の医療費の自己負担が10万円(所得金額200万円以下の場合は、所得金額の5%)よりも多かった場合、確定申告をすると医療費控除によって支払った税金の一部を還付してもらえます。
その際、夫婦別々に申告するのではなく、家族全員分の医療費を合算して申告することできるので、課税所得が多い方がまとめて申告した方が多く還付を受けることができます。
医療費控除を申告すると住民税の課税所得額が低くなって、翌年度の保育料が安くなる可能性もあるから、忘れずに申告するニャ!
3.こだわりのオプションと追加費用はいくらかかる?
今は希望すればオプションのようにいろんなサービスを受けられると聞いたけど、どんなサービスがあるのかしら?
早速オプションサービス内容を説明していくニャ。
・豊富なバースプランが選べる
ん?「バースプラン」って?
簡単に言うと「出産計画」のことよ。どんなお産を望んでいるか、出産後や入院中はどのように過ごしたいのかとか、妊婦さん自身や家族の希望をまとめたものがバースプランっていうの。
バースプランには以下のような選択があります。
・アクティブバース:分娩台で産むのではなく、水中で産む、立って産むなどフリースタイルで出産することができます。
・無痛分娩:麻酔を使用して、無痛で出産することができます。
・計画分娩:出産日をあらかじめ決め、陣痛促進剤を使用して出産することができます。
・立ち合い出産:家族全員または旦那さんのみ立ち合いのもと出産することができます。
・新生児撮影:プロのカメラマンによる撮影をしてくれます。
また、上記のようなバースプランを実現する場合、別途費用がかかることもあります。
例えば、水中出産は+30,000円、無痛分娩は+100,000円など。金額は施設によって異なります。
一般的にはLDRや立ち会い出産は追加料金がかかりません。新生児撮影はサービスで行ってくれる施設も増えてきました。
それぞれ施設によって各バースプランが実施できる場合とできない場合があるニャ。
希望のバースプランが実施できるかどうかが、お産をする施設を選ぶポイントにもなってくるニャン。
また、母子の状態によっては予定していてもできない場合もあるから、理解しておく必要があるニャ。
・きれいな個室で美味しい食事をいただける
診療所(産婦人科医院)の場合は、全室個室でキレイな部屋で美味しい食事が提供されるのはごく一般的。中にはこだわりの食器で提供してくれるところもあります。
産後に必要なカロリーをまかなうため、食事は豪華であり、おやつも提供されます。
また、家族がママの入院期間中、一緒に宿泊できる産院もあります。
おやつも…!?甘いもの好きの私にはとても嬉しい…!
もう、マネ娘ったら。けど美味しい食事があるのは大切ね!
・産後のサービスを受けられる
最近では高級産院に限らず、診療所や助産院などでもエステやアロママッサージ、整体、ヨガ、おっぱいケアなどのサービスが充実しています。
また、産後の体はとても体力を消耗しています。
生まれたばかりの我が子はとても可愛いですが、せめて入院中だけでも夜は寝たいところ。
夜間などママがしっかり休みたいときは赤ちゃんを新生児室で預かってくれます。
産院には、ママさんにとって嬉しく、心強いサービスがたくさんあるんだね。
妊娠から出産、出産後は、心も体もとても大変な時期だから、こういったサービスがしっかり受けられる産院を選びたいところね。
4.最近注目の産後ケアって?また、産後ケアホテルはいくらかかる?
「産後ケア」とは、出産後のママと赤ちゃんが退院後に体や心のケアや子育てのサポートを受けることができるサービスのことです。
宿泊または日帰りの他、自宅でも食事、洗濯などの家事、赤ちゃんの世話の補助や指導、赤ちゃんのお預かり、母乳マッサージ、育児相談などを受けることができます。
宿泊または日帰りの産後ケアは、病院、診療所、助産院などの出産ができる施設で受けることができるけど、最近ではホテルでの受け入れサービスも話題になったニャ。
料金は施設によって異なりますが、相場は宿泊型の場合30,000円、日帰り型の場合12,500円、自宅訪問の場合8,000円となっています。
産後ケアの必要性は高まっており、自治体の産後ケア事業も充実してきました。例えば杉並区では宿泊型12,000円、日帰り3,000円で利用することができます。
話題となった首都圏にあるホテルでの産後ケアでは、1泊あたりバリュールーム42,000円から部屋のランクに応じてロイヤルスイートルーム121,000円でホテルのラグジュアリーなサービスを受けながら産後ケアを受けることができます。
5.産院を選ぶ際にサービス以外にもおえておきたい3つのポイント
産院の費用やサービスについて、よくわかった!
友人にも話してみるよ。
ただいろいろな産院があると思うんだけど、自分に合った産院を選ぶために、他におえておくべきポイントはある?
サービス以外で言うと、利便性や、数週間過ごす場所だからこそ、そこにいる人との相性も検討材料にすると良いニャン!
1.アクセス
出産は自然分娩の場合はいつ産気づくかわかりません。
自宅からの所要時間を考えて、あまり遠すぎないところを選びましょう。
また十月十日と言われる妊娠期間も何回も妊婦検診に行くことになります。
お腹が大きくなるにつれ、だんだん動きにくくなり、張ってきますので、アクセスの良さも選ぶポイントになるでしょう。
2.待ち時間
出産の際はもちろんすぐに対応してもらえますが、妊婦検診では診察までの待ち時間が長くかかるところもあります。
予約していても2、3時間待ちは当たり前というところもありますので、口コミなどで確認しておくと良いでしょう。
3.先生やスタッフとの相性
出産は人生においてそう何度もあるわけではありません。
出産時の頼みの綱は先生や助産師さんです。全てをゆだねることになるわけですから、先生や助産師さんとの相性も大切です。
病院の場合は先生が指名できないこともありますが、診療所(産婦人科医院)や助産院の場合は妊娠時から出産時まで同じ先生や助産師さんが診てくれることが多いです。
心身ともに安心して出産ができる産院を選びたいですね。
最近では高級産院でなくても、サービスが充実している産院がたくさんあるんだね。
出産は女性にとっても家族にとっても人生の一大イベントだからね。マネ娘の友人も自分と家族の希望にあった産院が見つかるといいわね!
ここだけはこだわりたい!っていう場合は産後の教育費や家計なども考慮して、出産費用の貯蓄計画もしっかり立てておくと良いニャ。
子どもが生まれると学費や住宅購入とイベントが目白押しとなってくるから、家計改善や将来のための資産形成は早目に始めておくことをオススメするニャン。
・将来必要なお金を見える化!ライフプランシミュレーションを作ってみよう!
私は美味しい食事とおやつが沢山いただけて、窓から見える景色も綺麗な部屋も広―い産院がいいなぁ〜。あとあと…
旅行じゃないんだからしっかり考えなさい!
はあい…。
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はしもとFPコンサルティングオフィス
福岡県出身。慶應義塾大学商学部卒。2男4女を育てるママFP。子供=お金がかかるという考え方ではなく、子供は宝であり、ママたちが安心してもう一人子供を産めるようにサポートしたいという思いからFPとなる。お金とモノとの付き合い方を考え、お片づけプランナーとしても活動中。ご相談を受ける中で蓄えてきた知恵と自身の経験を生かし、“貯まる家計の仕組みづくり”と“子どもがいてもすっきり片付く部屋づくり”のアドバイスを行っている。明日から使える節約コラムやママ向けセミナーが好評。