私にベストな働き方は?産後のキャリアをお金から考える

 

<この記事のまとめ>

1.フルタイムVS時短勤務
・給料の違い
→働く時間が長くなる分、支出も増える!実際に手元に残るお金をシミュレーション

2.さまざまな違 いを見比べ!正社員 VS 派遣・契約 VS パート
・働きやすさのメリット、デメリット
・働く時間・場所の違い
・仕事内容の違い
・家計面での違い
・収入の違い
・老後の年金額の違い
・扶養の違い

3.ワーママ必見!知らないと損する、役立つ制度
国や自治体が政策する、働くママを支援する支援制度のご紹介

4.産後の働き方について、ママFPのアドバイス

 

仕事のやりがいやお金を求めて働くママはたくさんいます。しかし、「バリバリ働いてしっかり稼ぎたい」「収入が減ってもほどほどに働きたい」など、理想の働き方はさまざま。

正社員としてフルタイムもしくは時短勤務で働く、非正社員としてパートやアルバイトで働く、など産後の働き方を模索している人も多いようです。
今回は、それぞれの働き方の収支や特徴を理解し、「私」にとってのベストな働き方を考えてみましょう。

 

正社員ママは「フルタイムVS時短勤務」どっちが良い?

先日子どもの教育費について話していたマネ男・マネ娘夫婦。次は子どもが生まれてからの働き方について心配になっているようです…。

マネ男

ねぇ、マネ娘は子どもができたらどうやって働くかって考えたことある?

マネ娘

そうだなぁ、働き方も色々あるもんね。例えば正社員だとフルタイム勤務と時短勤務で悩むけど、幼児教育無償化で子どもが3歳になれば長時間働いても保育料の負担がなくバリバリ働けるんじゃない?

マネキン

ふむふむ。じゃあフルタイム勤務と時短勤務について、「給料の違い」と「増える支出」に着目してみるニャ!

 

・給料の違いはどのくらい?

時短勤務中の給料は、「基本給×実労働時間÷所定労働時間」で定められているのが一般的。

例えば、フルタイム勤務時(所定労働時間の実働が8時間)の基本給が月25万円の人が時短勤務(実働6時間)にする場合、「月給25万円×実働6時間÷所定労働時間8時間」で、毎月の基本給は約18.8万円」となります。

また、時短勤務にするとフルタイム勤務と比べて「残業代」や「ボーナス」も減ることが予想されるので、気をつけましょう。時短勤務時のボーナス額は、基本給と同じく短縮した時間数に合わせて減るのが一般的です。

 

・ママが長時間働くと収入は増えるが支出も増えやすい

ママが長時間働くことで、毎月の支出が数万円上がる家庭も珍しくはありません。

幼児教育無償化で「延長保育料も無料になるのでは?」思うかもしれませんが、残念ながら延長時の保育料や食事代は基本的には無償化の対象外。

長時間働きたい場合は、必ず事前に保育園で預けられる時間が最大で何時から何時までなのか、延長保育料がいくらなのかを確認しておきましょう。

 

・実際に手元に残るお金をシミュレーション!

フルタイム勤務と時短勤務でシミュレーションしてみましょう。

※時短勤務時の基本給やボーナスは「フルタイム勤務の収入×実労働時間÷所定労働時間」にて試算
※社会保険料・税金(所得税・住民税)が収入の2割かかる想定

フルタイム勤務では手取り収入は圧倒的に多いですが、その分延長保育料など大きく支出が増える場合、時短勤務(実働6時間)と比べてみると実際に手元に残るお金はたった4万円の差ということが分かりました!

マネキン

家計や今後のキャリアアップのためにできるだけ長時間働きたいと思ったときや、延長保育料や家事の時短のためにいくらお金を使うかで悩んだときなどに、自分の場合に当てはめて試算してみるとよいニャ。

 

正社員 VS 派遣・契約 VS パート どれが良い?

「そもそも正社員で働き続けるのがきつい…」「今の職場だと保育可能な時間と勤務時間が合わない」など、働き方を大きく変えることを検討するママも多いでしょう。

そこで次は、「正社員」「派遣・契約」「パート」それぞれの働き方のメリット・デメリットに着目してみましょう!

ママの場合、収入だけでなく、働きやすさも非常に大切ですよね。また見落としがちですが、今の働き方は転職のしやすさや老後の年金額など、将来にも影響していきます。

 

・働きやすさではどう違う?

まずは、ママにとって大切な「働きやすさ」の違いを比べてみましょう!

 

<働く時間・場所>

マネキン

正社員は時短勤務でも実働6時間ほど必要なのが一般的で、勤務地が選びにくいのがデメリット。働く時間を短時間にしたい場合や、自宅近くで働きたい場合には、非正社員のほうが働きやすいニャ。

マネ娘

パパに転勤があったときなんかも、非正規だと動きやすそうだね。

マネ男

会社のワーママは、仕事にはやりがいを感じたいし、キャリアアップも狙いたいから正社員がいいって言ってるよ!

マネキン

でも、たとえ同じ勤務先でもフルタイム勤務と時短勤務では仕事内容が大きく変わることがあるから注意が必要ニャ。

 

<福利厚生>

マネ娘

正社員の場合、充実した福利厚生を利用できる可能性が高いのがいいよね。勤務先にもよると思うけど、資格取得の費用補助や、レジャー施設の優待制度、手厚い定期健診なんかも魅力だなぁ。あとはやっぱり有給休暇が大事だよね!

マネキン

有給はパートでも、6ヶ月以上勤務すれば有給を使える可能性があるから確認するといいニャン。

また、休暇の取りやすさも大切。これは、雇用形態よりも仕事内容や職場の人員によるところが大きいので、繁忙期の有無や、同じ仕事を担当する同僚がいるかどうかなどを確認しておくと、休暇の取りやすさを予想できるかもしれません。

 

・家計面ではどう違う?

次は、収入と支出に注目してみましょう!今の家計と将来の家計、それぞれのメリットとデメリットをまとめました。

<収入>

マネ娘

正社員のほうが給料は上がりやすそうだし、住宅手当や保育料の補助などの手当てが充実していそう。退職金が出る勤務先なら将来の家計も助かるなぁ。

マネキン

社会保険(厚生年金)に加入して働くと、老後に厚生年金がもらえるニャ。もらえる金額は収入が高くて働く期間が長い人ほど多いニャン。

マネ男

社会保険に加入して働く期間が長く、給料が高い人ほど老後の家計は楽になるってことだね!

 

<扶養>

マネキン

夫が会社員や公務員の場合、妻が年収130万円未満であれば扶養家族になれることが多いニャ。また、妻の年収が約201万円以下などの一定条件を満たすと、夫が配偶者(特別)控除を受けられて税負担が減ることもあるニャ。

・具体的にシミュレーションしてみよう!

それでは、働き方によって年収や退職金、老後の年金額がどれくらいの違いになるのかを、ひとつ例を挙げて具体的にシミュレーションしてみましょう。

※1社会保険料・税金(所得税・住民税)は、正社員と派遣・契約が収入の2割、パート(扶養内)は収入の0.5割発生する想定
※2厚生年金額は「平均月収×5.481/1000×240月」で求めた概算金額。受給期間は65歳から90歳の25年間を想定。
※本シミュレーションはあくまでも予想数値を基に概算した金額です。社会保険料・税金、退職金額、厚生年金額を約束するものではありません。

上記の想定で計算すると、20年間働いたときの合計収入金額は、正社員が約6,100万円、派遣・契約が4,000万円、パート(扶養内)が約2,500万円です。長い目でみると、大きな金額の差になることが分かりますね。

働き方を考えるときは収入金額だけに注目しがちですが、社会保険料や税金、退職金、老後の厚生年金額まで考えると、結果が大きく変わることがあります。

 

ワーママの助け!知らないと損する、役立つ制度

子育てと仕事を両立していくのは簡単なことではありませんが、国や自治体も頑張るワーママを応援しています。

 

病児保育・病後児保育

保育園などに通っている子どもが病気になったとき、親が仕事を休めない場合に病気の子どもの世話をしてくれる施設です。公立の施設もありますが、民間の病児ベビーシッターを利用すると補助金が出ることなどもあります。

マネ娘

急に仕事を休むのが難しい働き方を選ぶ場合は、利用できそうだね!

 

ファミリー・サポート

地域で援助をしたい人と援助を受けたい人がそれぞれ会員となり、助け合うサービスです。民間のベビーシッターよりも費用は抑えやすくなっています。保育園や習い事の送迎や、残業時などに保育をお願いできますし、病後児を預かってくれることもあります。また、買い物やママのリフレッシュのために預けることも可能です。

マネキン

ただ、事前面談の手間がかかったり、援助したい人の数が足りなくて希望してもサービスを受けられないこともあるニャ。

 

申請したらもらえるお金

児童手当や出産手当金・出産一時金、育休・産休手当など、働くママは申請することでもらえるお金が多数あります。自治体独自で出産お祝い金やお祝いの品を準備していることもあるので、お住まいの自治体のホームページをチェックしてみましょう!

マネキン

そのほかにも、勤務先で独自に認可外保育園やベビーシッター利用費の補助や割引制度を準備していることもあるので、調べてみるといいニャ!

 

明るい未来をイメージして働き方を決めよう

マネ娘

お金や仕事のやりがいを考えると私は正社員フルタイムで働きたいな。でも子どもとの時間が減ってしまうのは寂しいし、自分の希望だけでは決められないよね。他の人たちはどうやって決めてるんだろう…。

マネキン

そういうと思って、ママとして働くママFPさんを召還しておいたニャ。

ママFP


マネ娘さんのように産後にどう働くかで迷う方は大勢います。ママの働き方に正解はありません。どのような生活を送りたいのかを家族で十分に話し合い、最も実現できそうな選択肢を選んでいくことが大切ですよ。

 

どのような生活を送りたいか、理想のライフプランを実現するためには、「収入」が大切になる人もいれば、「時間」が大切という人もいます。

 

例えば、「子どもに教育費をかけたい」「住宅環境を整えたい」「老後はゆとりをもって暮らしたい」などの希望を叶えるためには、お金が大切になります。一方、「子どもと過ごす時間をしっかり取りたい」「家事を丁寧にやりたい」「趣味や自由を楽しむ時間を作りたい」という人は、時間が大切になりますよね。

 

できれば両方を適度に実現したいという人が多いでしょう。そのため、働き方を考えるときには、自分の家庭ではこれから教育費・マイホーム・老後費用などにどのくらいお金が必要になるのかを考え、現役時代と老後に必要な収入額を試算してみると良いでしょう。

ママFP

もし働き方に迷っているのであれば、「ちょっと頑張ればできそう!」と思える働き方を選ぶことをおすすめします。

マネ娘

正社員から契約・派遣・パートに転職することはできても、反対に契約・派遣・パートから正社員に転職するのは時間がかかりそうですもんね…。

ママFP

収入が増えれば、子どもの教育費や住む場所、今後の転職のしやすさなど、人生の選択肢は増えやすくなります。働くことでつらいと感じることもあるでしょうが、「子どもがもう1人欲しいから」「マイホームが欲しいから」などの明確な目標があると頑張れるものですよ!ぜひ頑張ってくださいね。